主日早課:(10)イオアン66端;21:1-14
1
彼の時、イイスス復其門徒にティワェリアダの海浜に現れたり。其現れたること左の如し。
2 シモン ペトル、フォマ、称してディディムと云ふ者、ガリレヤのカナのナファナイル、ゼワェデイの二子、及び他の二人の門徒共に在り。
3 シモン ペトル彼等に謂ふ、我往きて漁せん。彼等曰ふ、我等も爾と偕に往かん。出でて、直に舟に登りしが、是の夜は獲る所なかりき。
4 既に明けて、イイスス岸に立てり、然るに門徒は其イイススたるを知らざりき。
5 イイスス彼等に謂ふ、小子よ、爾等に食ふべき物あるか。彼等答へて曰へり、無し。
6 彼は之に謂へり、網を舟の右に施せ、然らば得ん。彼等施ししに、之を挙ぐること能はざりき、魚の多き故なり。
7 時にイイススの愛せし所の門徒ペトルに謂ふ、是れ主なり。シモン ペトル是れ主なりと聞きて、裸なりしに因りて、衣を束ねて、海に投ぜり。
8 他の門徒は舟に乗り、魚の盈てる網を曳きて至れり、蓋地を離るること遠からず、約二百尺なり。
9 地に上りし時、燃えたる火、其上に置きたる魚、及び餅あるを見る。
10 イイスス彼等に謂ふ、今爾等が獲たる魚数尾を攜へ来れ。
11 シモン
ペトル往きて、網を地に曳き上げたり、中に大なる魚一百五十三尾盈てり、斯く多しと雖、網は裂けざりき。
12 イイスス彼等に謂ふ、来りて食せよ。門徒一も爾は誰たると、問ふことを敢てせざりき、其主たるを知ればなり。
13 イイスス前みて、餅を取りて、彼等に与ふ、魚も亦然り。
14 イイススが死より復活して後、其門徒に現れしこと、此れ其三なり。
口語
21:1そののち、イエスはテベリヤの海べで、ご自身をまた弟子たちにあらわされた。そのあらわされた次第は、こうである。
21:2シモン・ペテロが、デドモと呼ばれているトマス、ガリラヤのカナのナタナエル、ゼベダイの子らや、ほかのふたりの弟子たちと一緒にいた時のことである。
21:3シモン・ペテロは彼らに「わたしは漁に行くのだ」と言うと、彼らは「わたしたちも一緒に行こう」と言った。彼らは出て行って舟に乗った。しかし、その夜はなんの獲物もなかった。
21:4夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。しかし弟子たちはそれがイエスだとは知らなかった。
21:5イエスは彼らに言われた、「子たちよ、何か食べるものがあるか」。彼らは「ありません」と答えた。
21:6すると、イエスは彼らに言われた、「舟の右の方に網をおろして見なさい。そうすれば、何かとれるだろう」。彼らは網をおろすと、魚が多くとれたので、それを引き上げることができなかった。
21:7イエスの愛しておられた弟子が、ペテロに「あれは主だ」と言った。シモン・ペテロは主であると聞いて、裸になっていたため、上着をまとって海にとびこんだ。
21:8しかし、ほかの弟子たちは舟に乗ったまま、魚のはいっている網を引きながら帰って行った。陸からはあまり遠くない五十間ほどの所にいたからである。
21:9彼らが陸に上って見ると、炭火がおこしてあって、その上に魚がのせてあり、またそこにパンがあった。
21:10イエスは彼らに言われた、「今とった魚を少し持ってきなさい」。
21:11シモン・ペテロが行って、網を陸へ引き上げると、百五十三びきの大きな魚でいっぱいになっていた。そんなに多かったが、網はさけないでいた。
21:12イエスは彼らに言われた、「さあ、朝の食事をしなさい」。弟子たちは、主であることがわかっていたので、だれも「あなたはどなたですか」と進んで尋ねる者がなかった。
21:13イエスはそこにきて、パンをとり彼らに与え、また魚も同じようにされた。
21:14イエスが死人の中からよみがえったのち、弟子たちにあらわれたのは、これで既に三度目である。