至聖なる我が女宰生神女永貞童女マリヤの福音祭
ルカ3端;1:24-38
24 此の日の後、其妻エリサワェタ妊みて、隠れ居りしこと五月にして曰へり、
25 主は斯く我に為せり、彼は此の日に於て我を眷みて、我が耻を人々の間に洒がしめたり。
26 第六月に於て、天使ガウリイルは神より使を奉じて、ガリレヤの邑ナザレトと名づくる所に、
27 ダワィドの家の人、名はイオシフと云ふ者に聘せられたる処女に臨めり、処女の名はマリヤなり。
28 天使入りて、之に謂へり、恩寵を蒙れる者、慶べよ、主は爾と偕にす、爾は女の中に祝福せられたり。
29 女彼を見て、其言を訝り、此の問安は何事ならんと思へり。
30 天使之に謂へり、マリヤ懼るる勿れ、蓋爾は神の前に恩寵を獲たり。
31 視よ、爾妊みて子を生まん、其名をイイススと名づけん。
32 彼は大なる者となりて、至上者の子と称へられん、主神は彼に其祖ダワィドの位を与へん、
33 彼は世々イアコフの家に王となりて、其国終なからん。
34 マリヤ天使に謂へり、我人に適かざるに、如何にして此の事あらん。
35 天使彼に答へて曰へり、聖神゜爾に臨み、至上者の能爾を蔭はん、故に生む所の聖なる者も神の子と称へられん。
36 視よ、爾の親戚エリサワェタ年老いて子を妊めり、素妊まざる者と称せられしに、今已に六月なり。
37 蓋神に在りては凡そ其言ふ所能はざることなし。
38 マリヤ曰へり、我は主の婢なり、爾の言の如く、我に成るべし。天使彼を離れたり。
口語
1:24そののち、妻エリサベツはみごもり、五か月のあいだ引きこもっていたが、
1:25「主は、今わたしを心にかけてくださって、人々の間からわたしの恥を取り除くために、こうしてくださいました」と言った。
1:26六か月目に、御使ガブリエルが、神からつかわされて、ナザレというガリラヤの町の一処女のもとにきた。
1:27この処女はダビデ家の出であるヨセフという人のいいなづけになっていて、名をマリヤといった。
1:28御使がマリヤのところにきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。
1:29この言葉にマリヤはひどく胸騒ぎがして、このあいさつはなんの事であろうかと、思いめぐらしていた。
1:30すると御使が言った、「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。
1:31見よ、あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名づけなさい。
1:32彼は大いなる者となり、いと高き者の子と、となえられるでしょう。そして、主なる神は彼に父ダビデの王座をお与えになり、
1:33彼はとこしえにヤコブの家を支配し、その支配は限りなく続くでしょう」。
1:34そこでマリヤは御使に言った、「どうして、そんな事があり得ましょうか。わたしにはまだ夫がありませんのに」。
1:35御使が答えて言った、「聖霊があなたに臨み、いと高き者の力があなたをおおうでしょう。それゆえに、生れ出る子は聖なるものであり、神の子と、となえられるでしょう。
1:36あなたの親族エリサベツも老年ながら子を宿しています。不妊の女といわれていたのに、はや六か月になっています。
1:37神には、なんでもできないことはありません」。
1:38そこでマリヤが言った、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」。そして御使は彼女から離れて行った。