マトフェイ92端;22:35-46
35 其中なる一人の律法師彼を試みて、問ひて曰へり、
36 師よ、律法の中に何の誡か大なる。
37 イイスス之に謂へり、爾心を尽し、霊を尽し、意を尽して、主爾の神を愛せよ、
38 此れ誡の第一にして大なる者なり。
39 第二は是に同じき者、即爾の隣を愛すること己の如くせよ。
40 斯の二の誡には悉くの律法と預言者と繋れり。
41 ファリセイ等の集りし時、イイスス之に問ひて
42 曰へり、爾等ハリストスの事を如何に意ふか、彼は誰の子なるか。曰く、ダワィドの子なり。
43 彼曰く、然らば如何ぞダワィドは、聖神゜に由りて、彼を主と称ふる、云く、
44 主我が主に謂へり、爾我が右に坐して、我が爾の敵を爾の足の凳と為すに迄れと。
45 然らばダワィド彼を主と称ふれば、如何ぞ彼は其子たる。
46 一人も之に言を答ふる能はず、是の日より敢て復彼に問ふ者なかりき。
口語
22:35そして彼らの中のひとりの律法学者が、イエスをためそうとして質問した、
22:36「先生、律法の中で、どのいましめがいちばん大切なのですか」。
22:37イエスは言われた、「『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。
22:38これがいちばん大切な、第一のいましめである。
22:39第二もこれと同様である、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。
22:40これらの二つのいましめに、律法全体と預言者とが、かかっている」。
22:41パリサイ人たちが集まっていたとき、イエスは彼らにお尋ねになった、
22:42「あなたがたはキリストをどう思うか。だれの子なのか」。彼らは「ダビデの子です」と答えた。
22:43イエスは言われた、「それではどうして、ダビデが御霊に感じてキリストを主と呼んでいるのか。
22:44すなわち『主はわが主に仰せになった、あなたの敵をあなたの足もとに置くときまでは、わたしの右に座していなさい』。
22:45このように、ダビデ自身がキリストを主と呼んでいるなら、キリストはどうしてダビデの子であろうか」。
22:46イエスにひと言でも答えうる者は、なかったし、その日からもはや、進んでイエスに質問する者も、いなくなった。