ルカ35端;8:5-15
5 播く者は其種を播かん為に出でたり、播く時路の旁に遺ちし者あり、乃践まれたり、又天空の鳥之を啄めり。
6 石の上に遺ちし者あり、萌え出でて稿れたり、潤澤なきが故なり。
7 棘の中に遺ちし者あり、棘共に長びて、之を蔽へり。
8 沃壌に遺ちし者あり、萌え出でて、実を結ぶこと百倍せり。之を言ひて呼べり、耳ありて聴くを得る者は聴くべし。
9 其門徒彼に問ひて曰へり、此の譬は何ぞ。
10 彼曰へり、爾等には神の国の奥義を知ること与へられたれども、他の者には譬を用ゐる、彼等視れども見ず、聴けども悟らざる為なり。
11 此の譬の義は左の如し、種は神の言なり。
12 路の旁の者は、是れ聴けども、後悪魔来りて、其心より言を奪ふ、彼等が信じて救はれざらん為なり。
13 石の上の者は、是れ聴く時喜びて言を受くれども、己に根なくして暫く信じ、誘惑の時に背く。
14 棘の中に遺ちし者は、是れ聴きて去り、而して度生の慮と貨財と宴楽とに蔽はれて、実を結ばず。
15 沃壌に遺ちし者は、是れ言を聴きて、清潔良善なる心に之を守り、忍耐して実を結ぶ。(之を言ひて呼べり、耳ありて聴くを得る者は聴くべし。)
口語
8:5「種まきが種をまきに出て行った。まいているうちに、ある種は道ばたに落ち、踏みつけられ、そして空の鳥に食べられてしまった。
8:6ほかの種は岩の上に落ち、はえはしたが水気がないので枯れてしまった。
8:7ほかの種は、いばらの間に落ちたので、いばらも一緒に茂ってきて、それをふさいでしまった。
8:8ところが、ほかの種は良い地に落ちたので、はえ育って百倍もの実を結んだ」。こう語られたのち、声をあげて「聞く耳のある者は聞くがよい」と言われた。
8:9弟子たちは、この譬はどういう意味でしょうか、とイエスに質問した。
8:10そこで言われた、「あなたがたには、神の国の奥義を知ることが許されているが、ほかの人たちには、見ても見えず、聞いても悟られないために、譬で話すのである。
8:11この譬はこういう意味である。種は神の言である。
8:12道ばたに落ちたのは、聞いたのち、信じることも救われることもないように、悪魔によってその心から御言が奪い取られる人たちのことである。
8:13岩の上に落ちたのは、御言を聞いた時には喜んで受けいれるが、根が無いので、しばらくは信じていても、試錬の時が来ると、信仰を捨てる人たちのことである。
8:14いばらの中に落ちたのは、聞いてから日を過ごすうちに、生活の心づかいや富や快楽にふさがれて、実の熟するまでにならない人たちのことである。
8:15良い地に落ちたのは、御言を聞いたのち、これを正しい良い心でしっかりと守り、耐え忍んで実を結ぶに至る人たちのことである。