エウレイ11:9~10、17~23、32~40
兄弟よ、信に由りてアウラアムは、許約の地に在りて、己に属せざる地に於けるが如く、イサアク及びイアコフ、即同一の許約を同じく嗣ぐ者と偕に幕に居りたり、蓋彼は基ある城、神の営み造る者を俟てり。信に由りてアウラアムは試みられて、イサアクを獻げたり、許約を受けし者にして、其獨生子を獻げたり、即爾の裔はイサアクに由りて稱えられんと、言われし所の者なり。蓋彼意えり、神は亦死より復活せしむるを能すと。故に之を預象として受けたり。信に由りてイサアクは将来の事を指して、イアコフ及びイサフを祝福せり。信に由りてイアコフば死なんとする時、イオシフの二子を祝福し、且其杖の上に拝せり。信に由りてイオシフは終らんとする時、イズライリの諸子の出でんことを憶わしめ、且己の骸骨の事を遺命せり。信に由りてモイセイは生れし後、三月間其父母に匿されたり、蓋彼等は子の美しきを見て、王の命を畏れざりき。我復何をか言わん、若しゲデヲン、ワラク、サムブソン、イエッファイ、ダヴィド、サムイル及び他の預言者の事を述べんには、我に時足らざらん。彼等は信に由りて諸國を従え、義を行い、許約を受け、獅の口を箝ぎ、火の勢を滅し、劔の刃を避け、弱きよりして強くせられ、戦に勇み、異邦の軍を潰せり、婦は其死者を復活せし者として受けたり、亦或者は更に善き復活を得ん為に、免るるを欲せずして、酷く戮されたり、他の者は嘲弄と鞭打と、又縲絏と囹圄との試を受け、石にて撃たれ、鋸にて解かれ、拷問に遇わせられ、刃にて殺され、綿羊と山羊との皮を衣て流離し、窮乏、患難、辛苦を忍び、世界の置くに堪えざる者は、曠野、山嶺、巖穴、地窟に徨えり。此等皆信に由りて證せられたれども、許約せられし所を獲ざりき、蓋神は我等の事に於て更に善き事を預見せり、彼等は我等と偕にせずしては全きを得ざらん為なり。
口語
11:9信仰によって、他国にいるようにして約束の地に宿り、同じ約束を継ぐイサク、ヤコブと共に、幕屋に住んだ。
11:10彼は、ゆるがぬ土台の上に建てられた都を、待ち望んでいたのである。その都をもくろみ、また建てたのは、神である。
11:17信仰によって、アブラハムは、試錬を受けたとき、イサクをささげた。すなわち、約束を受けていた彼が、そのひとり子をささげたのである。
11:18この子については、「イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれるであろう」と言われていたのであった。
11:19彼は、神が死人の中から人をよみがえらせる力がある、と信じていたのである。だから彼は、いわば、イサクを生きかえして渡されたわけである。
11:20信仰によって、イサクは、きたるべきことについて、ヤコブとエサウとを祝福した。
11:21信仰によって、ヤコブは死のまぎわに、ヨセフの子らをひとりびとり祝福し、そしてそのつえのかしらによりかかって礼拝した。
11:22信仰によって、ヨセフはその臨終に、イスラエルの子らの出て行くことを思い、自分の骨のことについてさしずした。
11:23信仰によって、モーセの生れたとき、両親は、三か月のあいだ彼を隠した。それは、彼らが子供のうるわしいのを見たからである。彼らはまた、王の命令をも恐れなかった。
11:32このほか、何を言おうか。もしギデオン、バラク、サムソン、エフタ、ダビデ、サムエル及び預言者たちについて語り出すなら、時間が足りないであろう。
11:33彼らは信仰によって、国々を征服し、義を行い、約束のものを受け、ししの口をふさぎ、
11:34火の勢いを消し、つるぎの刃をのがれ、弱いものは強くされ、戦いの勇者となり、他国の軍を退かせた。
11:35女たちは、その死者たちをよみがえらさせてもらった。ほかの者は、更にまさったいのちによみがえるために、拷問の苦しみに甘んじ、放免されることを願わなかった。
11:36なおほかの者たちは、あざけられ、むち打たれ、しばり上げられ、投獄されるほどのめに会った。
11:37あるいは、石で打たれ、さいなまれ、のこぎりで引かれ、つるぎで切り殺され、羊の皮や、やぎの皮を着て歩きまわり、無一物になり、悩まされ、苦しめられ、
11:38(この世は彼らの住む所ではなかった)、荒野と山の中と岩の穴と土の穴とを、さまよい続けた。
11:39さて、これらの人々はみな、信仰によってあかしされたが、約束のものは受けなかった。
11:40神はわたしたちのために、さらに良いものをあらかじめ備えて下さっているので、わたしたちをほかにしては彼らが全うされることはない。